「熱中症」を予防する効果的な方法「暑熱順化」とは?

「熱中症」を予防するためには、暑さに負けない
体作りも大切です。

体作りのポイントになるのが「暑熱順化」。
暑熱順化? あまり聞き慣れないですよね。

「暑熱順化」とは?

「暑熱順化」で「熱中症」を予防する方法と一緒
にお伝えします。

★ 「熱中症」予防のカギ! 「暑熱順化」とは?

「暑熱順化」とは、暑さに体が慣れて適応すること。

「熱中症」とは、運動や高温多湿の環境による体温
の上昇に、体が本来持っている「体温調節機能」
が対応できなくなることです。

「体温調節機能」が運動不足や「自律神経」の乱れ
で低下すると、熱中症にかかりやすく。

「熱中症」を予防するためには、熱を上手く体から
逃せるように「体温調節機能」を高めてあげること
が必要。

そこでポイントになるのが、「暑熱順化」。

冷房の効いた部屋で一日の大半など、長い時間
過ごし、体が「暑熱順化」できていないと気温が
少し高くなっただけでも「熱中症」になりやすく
なってしまうんのです。

意識して暑さに体を慣らし人工的に「暑熱順化」
することで、暑さに強い、熱中症にかかりにくい
体を作ることに。

★ 「暑熱順化」すると熱がこもりにくい体になる

「暑熱順化」した体と「暑熱順化」していない体
ではどのような違いがあると思いますか?

気温が上昇したとき、「暑熱順化」していない体と
「暑熱順化」している体では次のような反応が。

・「暑熱順化」していない体で起こる反応

1. 気温が上昇しても皮膚の血流量が増え
  にくく、体温が上がりやすい
2. 汗と一緒に塩分がたくさん流れ出る
3. 体の中のバランスが崩れる
4. バランスを整えるために汗の量が減少
5. 汗によって体を冷やせず、熱がこもり
  熱中症になる

・「暑熱順化」している体で起こる反応

1. 気温が上昇するとすぐに皮膚の血流量
  が増えるため、体温が上がりにくい
2. 汗と一緒に出る塩分が少なく
3. 汗をかいても体の中のバランスが崩れ
  にくい
4. 汗をかいて効率よく体を冷やすことが
  できる
5. 熱が体の中にこもらず、熱中症になり
  にくい

★ 「暑熱順化」する2つの方法

体を「暑熱順化」させるためにはどうすればいい
と思いますか?

おすすめの方法は、「運動」と「入浴」の2つ。

方法1 ステップアップ式で運動

運動で汗をかく習慣をつけることで、体を
「暑熱順化」させる。

大切なのは、ステップアップ式で徐々に運動強度
を強くしていくこと。

方法は、以下の通り

1. 最初の2~3日は、ウォーキングを10分
  程度、1日あたり3回の計30分
2. 運動に体が慣れてきたら、歩くスピード
  を速くして運動強度を上げる
3. 最終的には30分間早歩きするくらいの
  息が少し上がる程度のスピードで少し
  きつめの運動
4. 1週間程度で暑さに慣れてきて、2週間
  ほどで体が「暑熱順化」

ウォーキング以外にも汗ばむ程度のサイクリング
などでも効果がありますよ。

方法2 入浴習慣をつける

運動が苦手なら、まずは入浴習慣をつけて体を
「暑熱順化」。

入浴と運動を組み合わせると、より効果的なので
徐々にそうしていきましょう。

1. 40度程度のお湯に肩までしっかり浸かっ
  て10分間入浴
2. 毎日入浴
3. 汗が出るのが早くなってきたら順化が
  進んでいるサイン
4. だいたい2週間程度で体が「暑熱順化」

運動や入浴をするときは、こまめな水分補給を
忘れずに注意しましょう。

また、「暑熱順化」の途中で「熱中症」にならない
ためにも、運動は朝や夜などの涼しい時間帯に行う
といいですよ。